わたしがパニック障害になってから困ったことはいくつもあるのですが、その中でも特に厄介だと思っているのが「広場恐怖症」
Contents
ざっくりわかる「広場恐怖症」
「広場恐怖症」(ひろばきょうふしょう)とは、パニック障害が原因で引き起こる症状のひとつです。
例えば、パニック発作が起きた場所や、似たような場面になったときに「また発作を起こしてしまうのでは…」と不安な気持ちでいてもたってもいられなくなり、特定の場所を避けたり、行くことが困難になってしまうことを指します。
広場恐怖症を引き起こしやすい場所
広場恐怖症が起こりやすい場所は人によって違いはあるのですが、その中でも特に多い場所を考えたときに、以下の8つが思い浮かびました。
- 人混み
- 電車・バスなどの公共交通機関
- 美容室
- 歯医者さん
- 映画館
- ライブ会場
- 行列
- レストラン
いずれも「逃げられない」シチュエーションだと分かります。
普通の人ならなんともない場所やシチュエーションでも、広場恐怖症の場合は発作の不安や、発作になったとき注目を受けることへの恐怖などが合わさり、逃げられない環境が怖く感じてしまうんです。
わたしの「広場恐怖」はこんなところ
わたしの「広場恐怖」は、電車・ライブ会場・混雑した場所の3つです。
わたしが1番最初にパニック発作を起こした場所が、混雑した「電車」の中ということもあって、電車は特に恐怖を覚えます。
電車以外にも、人がたくさんいるライブ会場、長い時間並ばなければいけない行列も苦手です。
行動に制限が出てしまうのが厄介
広場恐怖の嫌なところは、一度恐怖を感じてしまうと、外出が難しくなってしまうこと。
など、発作の恐怖が伴うことで行動がかなり制限されてしまうんですよね。
わたしの場合は広場恐怖症を抱えてはいるものの、家でじっとしているよりは外にいる方が好きな性分なので、いかに発作を出さないようにして外出できるかを、時間をかけて考え尽くしました。
わたしが実際に試して効果があった「広場恐怖症」の対策
- 電車は普通車両⇨グリーン車へ
- 外出先で落ち着ける場所をいくつか見つける
- ライブ会場へはギリギリに入り、ゆったり出る
①電車移動時は「グリーン車」を利用
普段は車移動が多いのですが、都内へお出かけするときなど、電車移動の時お世話になっているのが「グリーン車」。
北埼玉に住んでいるわたしは、高崎線・湘南新宿ライン・上野東京ラインユーザーなのですが、いずれも普通車両の間に特別料金を払って座ることの出来るグリーン車がついているんです。

座席は進行方向を向いているので気持ち悪くならないし、隣の人と肘がぶつからないくらいのゆったり座れる席。リクライニング付きなので、自分が心地よい角度でくつろぐことができます。

特別料金とはいっても、50kmまでは780円、51km以上〜は1,000円(※ホリデー料金だともっと安くなります)で利用できるので毎日でなければそこまで痛い出費にもなりません。
お金はかかる方法ではありますが、普通車両に比べると比較的空いており、向かい合うことがないので人の目も気になりません。少し混んでいたとしてもパニック発作が起きたことはないので、電車が苦手な人にはおすすめの方法です。
②外出先で落ち着ける場所を見つける
広場恐怖症になると、極端な例ですが、「家の外=怖い」という風に感じてしまいます。わたしも広場恐怖症がひどいときには、近場のスーパーでも気分が悪くなることもありました。
ということで、家の外でリラックスできる場所をいくつか見つけることにしました。
- スタバやタリーズなど全国チェーンのカフェ
- 清潔なトイレ
- カラオケ
- 公園
スタバやタリーズなど全国チェーンのカフェ

友達と遊びに行くときに必ずといって良いほど寄る場所「カフェ」。
カフェは人も多いので「広場恐怖症の対象になるのでは?」とも思ったのですが、基本的に店内は薄暗い+客の入れ替わりも激しいのでそこまで人の目も気にならなかったんですよね。
ここでおすすめなのが、どこに行ってもあるであろう全国チェーンの店舗を選ぶこと。
全国チェーンだと、遠くへ出かけてもお店の雰囲気は一緒だから安心しやすい!
わたしは近所にスタバとタリーズ、上島珈琲店、ドトールがあるので、ひとつずつ長時間居ながら慣らしていきました。慣れていけば友達とカフェに向かうときも変に緊張せず過ごすことができるようになってくるので、全国チェーンのカフェは克服のきっかけにもなるはず。
清潔なトイレ

トイレって落ち着きませんか?
狭い場所は苦手なのですが、一人きりになれる空間はリラックスできるので、外出先でもトイレはセーブポイントだと思って積極的に行くようになりました。
清潔かつ、扉の上と下が閉まった個室タイプだとより一人の空間になれて◎
第一条件は「清潔であること」ですが、さらに付け加えるとしたら、扉の上と下がしっかり閉まっている個室タイプを選ぶこと。
しっかりした個室タイプは外の音も気になりにくいので、外出先でも一人きりの空間を作り上げることができます。また、パニックになっているときは一人になると落ち着くパターンが多いので、一人になれるトイレは欠かせない落ち着くスポットです。
カラオケ

カラオケもトイレ同様、一人になれる個室空間ですよね。
カラオケはトイレとは違い、大きな声を出しても外に聞こえないので、周りの目を気にしなくて良いところもお気に入りです。
ゴミゴミしたところでもカラオケはたくさんある!フリータイムなら時間を気にせず落ち着くまでいられるのでセーブポイントとしては最適です
カラオケを落ち着く場所としている人は少ないかもしれませんが、気軽にさくっと一人になりたいときにはかなり便利なんですよね。
飲み物も食べ物もあるし、もし店員さんと会いたくない場合には注文した後しばらくトイレに籠もってるのもアリ。
公園

広場恐怖症といいながら、広場は好き。
わたしは新鮮な空気が吸えればOKな人なので、公園も落ち着くスポットとしてチョイスしています。
子供が遊ぶ公園<自然豊かで椅子もたくさんある公園
一言で「公園」といっても、遊具がたくさんある子供用の公園から、新宿御苑のような自然豊かな公園まで幅広い種類がありますよね。
わたしがおすすめしたいのは、子供用より、自然豊かな公園。
子供が遊ぶような公園は小さいことも多く、大人が一人でいると怪しく見えてしまうこともあるし、なんだかいたたまれない気持ちになります…。ただ休んでるだけなんだけどねぇ。
一方で自然豊かで比較的大きな公園は、四季折々の草花を楽しむ大人が来ていることも多いので、大人が一人で行っても浮くことはありません。
③ライブ会場へはギリギリに入る

パニック障害とライブって、すごく相性が悪いと思います。
だかしかし、わたしは根っからのアイドルオタク。ライブは欠かせない大切なイベントです。
ということで、わたしがライブ用に対策したのは以下の5つ。
- ライブ前後にはカフェインを摂らない
- 会場へはギリギリに入る・終演後はゆったり出る
- 終わったらトイレに行く
- 帰りの電車は何本か見送る
- 会場周辺のカフェや落ち着けるスポットを探しておく
まず、パニック障害とカフェインはライブと同じくらい相性最悪なので、混雑するライブ前と後には摂らないように気を付けています。
混雑はならベく避ける!
会場へ着いたら、事前に調べておいた周辺のカフェや落ち着けるスポットで気持ちを落ち着かせ、会場へはギリギリに入場。こうすることで、落ち着いた気持ちを維持したままライブを楽しむことができました。
ライブが終わったら、これまた混雑を避けるようにゆったりと時間をもって会場を出ます。
帰りの電車もかなり混み合うので、何本か見送って空いてきた頃に乗るのがベスト。近くのホテルに宿泊するというのもアリでした!
どんな場所なら落ち着けるのか、具体的に考えてみると良いよ!
パニック発作を起こした場所に行くことはかなり勇気のいることです。
なるべくなら避けて通りたいところですが、日常生活を送る上でどうしても通らなければいけなかったり、行きたい場所へも行けなくなってしまうんですよね。
わたしの場合は「電車」が1番の不安要素ですが、どこが怖いのか細分化していくことで、反対に落ち着くシーンも分かるようになってきます。
- 向かい合って座ることで人の目が気になる⇨グリーン車や横並びの席を選ぶ
- 混雑・密集していると新鮮な空気が吸えなくて息苦しい⇨一人きりになれる空間・短時間で済ませる
- すぐ地上へ降りられない=逃げられないことへの恐怖⇨快速より普通運転、トイレやドアが近い席に座る
などですかね。
こうして日常の中で自分の落ち着くシーンを紐解いていくことで、外出先でも安心できるようになってきます。
とはいえ、わたしもまだ完全には広場恐怖症が治ったわけではないので、これからもリラックスできる場所やシーンを探して、工夫しながら楽しい日常を送っていこうと思います!